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夏と冬では粘性の異なるオイルを使うのが常識?

エンジンオイルは人間でいえば血液の役目に近いことを行なっている。エンジン内部を駆け回って、潤滑の役をするのはもとより、酸化物(スラッジ)などを洗い流し、ついでに高温になっているエンジンを冷却する役も兼ね、さらに、密閉性もよくしようというのだから、あるいは人間の血液より役割分担は多いかもしれない。

 

このオイル、粘り気がなくなると性能はガタ落ち、粘り気が強過ぎると抵抗になったりして都合が悪い。そこで、エンジンの特性や気温、使用のパターンなどを考え合わせて適当な粘り気のオイルを使うのが常識になっていた。冬場は寒いからオイルが堅くなりがちなのでサラリとしたやつ、夏は暑くてオイルがトロトロしちまうから粘っこいやつ、というあんばいに、昔は取り替えていたものだ。

 

ところが、いまどきの油脂化学は、それはたいしたもので、可変性の粘性を持ったオイルの方が常識になっている。シングルグレードからマルチグレードに変わったわけ。マルチグレード・オイルだと、暑さでサラリとせず、寒さでドロリとせずというあんばいのいいものが普及した。

 

ガソリンスタンドで、今じゃシングルグレードのオイルを見つけることはむずかしいぐらいで、みんながみんなといっていいほどマルチグレードに変わっている。だから、スタンドでも「オイル交換しますか、ハイツ」だけで、「何番のオイルにしますか」なんて間の抜けたことは聞きはしない。

 

マルチグレード・オイルの威力は、無交換でいまや酷寒の北海道から常夏の沖縄までズーッと通用する。しかも、渋滞走行から高速走行までカバーして余裕があるというものだ。オイルのなかには、粘性が多様なマルチグレードばかりでなく、ロングライフと称して5万キロ無交換でもオイルの役をなし続ける、なんていうものまであるのだから、夏場、冬場でオイルを換えなきゃいけないなんて常識は、とうの昔になくなったと思っていい。

 

時代と共に常識というものが変わってくる。しまいには、オイル交換無用なんてことにもなりかねない。油いらずのオイルレスメタルなんてものも、かなり以前からある。

 

ちなみにマルチグレードの表示とは、10W40とか、20W50といったもので、前者の場合だと10番から40番までの粘性、後者の場合は20番から50番までの粘性のシングルグレードでいう範囲を示す。自動車メーカーの嫌みなところは、「指定オイル以外のオイルでエンジンが不調になっても保証はしない」などというところだ。保証をアテにしているのならこんなところに気をつけよう。

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