車 買取

大排気量エンジンは燃費が悪い?

「1,000cc級エンジンが次期ファミリーカーの主流となろう」といわれてから久しい。なぜかというと、大排気量エンジンは燃費が悪く省エネ時代の本命ではないというのだ。

 

確かに小さい排気量のものと、大排気量のエンジンの燃費を比べてみると、排気量の大きいものほどエネルギーを消費しやすい。これは確かなことだ。だが、ひとくちに「大排気量はダメだ」と決めてかかるわけにはいかないところがある。

 

なぜか、といえば簡単なことだ。同じ質量のものを、同じだけ運動させれば、エネルギー消費は同じ、という原則がある。たとえば、車両重量800キログラムのクルマを、時速100キロで走らせるとすれば、660ccエンジンでも2,000ccエンジンでも消費エネルギーは同じだ。660ccが一リットルで15キロ走ったとすれば、2,000ccのものも一リットルの燃料で15キロ走って当たり前で、何の不思議も生じないのだ。これは、660ccと6,000ccのエンジンを比べても同じことなのだが、現実はそうはいかないものである。

 

どこが「そういかない」ところかといえば、660ccエンジン車を車重800キログラムで仕上げることは簡単だ。ところが、2,000〜6,000ccというエンジンを載せるクルマを800キログラムで仕上げることは不可能に近い。もっとズンと重くなってしまう。

 

となると、重量がおのずと変わってしまう。660ccで450キログラムのクルマと、2,000ccで1.3トンのクルマではボリュームもウエートも異なる。それでいて、運動は同じようにするわけだから燃費が違ってきてしまうということだ。

 

さらに燃焼効率(フュエルコンサンプション)を大きく変えるのは、運動のパターンの違いである。0〜100キロを10秒台で走ってしまうのと、0〜100キロを30秒近くもかけて加速するクルマでは、燃料の消費量が全く違い、加速の鋭い方が燃料を余計に消費する。これは当たり前のことだからだれでもわかるはず。

 

いい例をあげると、1934年製のフォード(A型)は3リッター四気筒エンジンだが、加速のそれほど鋭くないマラソン型エンジンだったので、40〜50キロの巡航速度では一リットルのガソリンで12〜13キロは楽に走った。ところが、660ccの高度にチューンしたターポエンジン付き軽自動車は、走りの俊敏なことではスポーツカー並み。これが時速100キロで走ると、なんとリットル当たりで10キロがやっとだったという実例がある。

 

これでおわかりだろうが、燃費というものは、重量と運動の違いで大いに変わるものなのであって、単に排気量の大小には直接関係はない。大排気量エンジンが無駄喰いするのは、ジリジリ移動の渋滞時や信号待ちのアイドリング時なのだ。


大排気量エンジンは燃費が悪い?関連ページ

AT車はMT車より加速が悪い?
「どうもオートマは馬力がないんで困る」とわかったふりをする人が多い。エンジンというものは、組み合わせたトランスミッションがATだろうとMT(マニュアル)だろうと、発生する出力やトルクに変わりはない。
AT車は燃費が悪いってホント?
AT車は燃費が悪いと思い込んでいる人がいるようだが、そう簡単にAT車の燃費が悪くて、MT(マニュアル)車の燃費がいいとはいえない。たしかに、メカニズム的にはエンジンの発生したトルクを、機械的にダイレクトに車輪につなぐMTの方がロスが少ない。
無鉛ハイオクはハイパワー?
オクタンというのは、分子式でのC8H18と表す炭化水素の一つ。異性体が数ある中で、2・2・4トリメチルペンタンガイソ・オクタンと言うものがアンチノック性を向上させる。ハイオクタン・ガソリンとは、アンチノック性の高い、いわばノッキングを起こしにくいガソリンと考えて間違いではない。
フューエルゲージ(燃料計)は当てにならない?
クルマの燃料計(フューエルゲージ)は当てにならない、というのが通説になっている。なるほど、100キロも走ったのに針は「F」を指したまんまで止まっていたり、そうかと思うと、100キロを超えたとたんにツルベ落としに針が落ち込み、アレヨアレヨとハラハラしたりさせるのが燃料計。

【TOPページへ】 一括査定 人気ランキング かんたん車査定ガイド カーセンサーnet