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5マイルバンパーは安全バンパー?

「5マイルバンパー」を「安全バンパー」だと思い込んで、勝手に常識化してしまっている人がいる。5マイルといえば約8キロ、時速8キロの衝撃は、ラルフ・ネーダーでなくても安全な衝撃であるはずはない。「どんなスピードでもクルマは危険」であることは、ネーダー以前から知る人は知っている。

 

水におぼれる人は、たとえ水深30cmの浅いところでも水死するのと同じ理論で、これこそ「常識」なのだ。では、なんで5マイルバンパーがアメリカで法制化されているのか、といえば、諸説はフンプンである。たかが時速8キロのスロースピードで、何かにドンと当たっただけでバンパーがグチャグチャ、修理代を400〜500ドルもとられるのじややりきれない、とする説。保険屋が、こんなヤワなバンパーをつけられちゃ、補償費用がかさんでやりきれない、とする説。資源を浪費することにつながる、とする説などだ。

 

要するに、クルマ対人の事故で安全としたバンパーではない。たとえ時速1キロの衝突でも、大ケガをしたり死んでしまう人はいくらもいるはず。クルマ対クルマ、クルマ対物との衝突で、せめて時速8キロぐらいの衝撃には耐えて、その場では変形しても、あとで復元しなければいけない、というのが主旨。本来の車体を防護できる緩衝能力がなければバンパーとして認めない、とするものだ。

 

日本からアメリカへ輸出している乗用車などには、あちらの要求でどんな安物にも5マイルバンパーが取り付けられているが、国内用には一部オプションで用意されている程度で、どれもこれもバンパーの役をなすより、飾りの役しかないものばかり。

 

では、日本の法規ではバンパーは無視されているのか、というと、そうではなく、バンパーが付いていないと公道を走ることができないのだから、行政のやることはオモシロイ。日本の約束ごとでも乗用車は時速3〜5キロでの接触でバンパーが損傷せず、15分ぐらいで復元できるものでなけれはいけないことにはなっている。でも、ビニール・ウレタン製だから、ちょっと接触しただけでキズだらけ、修理なんかきくわけない、ソックリ取り換えがウン万円、なんてことだから「当たり屋」が商売になる。

 

それなら、ヨーロッパのように、クルマがボコボコになっても平気な人たちか、というとそうじゃない。ちよこつと接触しただけでバンパーなでなでしながらカリカリしているドライバー、そのそばで、平身低頭しているドライバー、街ン中でいくらでも見られる光景だ。

 

日本最大の自動車メーカーに籍のある某デザイナーがいったもんだ、「バンパーが弱いほど運転は慎重になる、だからガラスでバンパーを造りたいぐらい」だと。


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